今回は、「センター数学IA・センター数学IIBで9割を取るコツ」を解説します!

国公立大医学部を目指す上で、センター9割は欠かせません。
しかし「2次試験に比べればセンターは簡単」と対策を後回しにして、センター直前にいざ過去問を解いてみると「全然取れない!」となることも。

意外と穴になりやすいセンター数学ですが、実は数学が苦手な人でも高得点が狙えるセンター数学のコツがあります。

センター数学で9割取れても合格できない

国公立大医学部や難関私大の医学部を目指す人であれば、センター数学で9割以上は必須でしょう。
しかし、センター数学で9割取るためにいきなりセンター対策をしようとしていませんか?

国公立大は【センター試験+2次試験の総和】で合否が出されます。
なのでセンター試験だけでなく、2次試験の点数も重要になります。

2次試験はセンター試験よりも難易度が高いことがほとんどです。
つまり、センター試験で9割取れても2次試験が解けるわけではないのです。

センター数学9割を目指す皆さんは、まず2次試験対策を進めていきましょう。

その上で、センター試験の独特な出題形式に対応するために、センター形式・時間配分の対策をしていきましょう。

特にセンター数学は試験時間に対して問題量が多いので、自分の得意不得意によって時間配分を決めておくことが重要です。

センター数学の出題傾向

センター数学は「数学IA」と「数学IIB」に分かれています。

それぞれ60分・100点満点の試験で、出題範囲・形式・配点が毎年ほぼ同じです。
平均点は40〜60点ほどですが、数学IIBの平均点が低くなっています。

センター試験では問題処理能力が問われるので、試験時間に対して問題量・計算量が多くなっています。

ただ、出題分野や形式が毎年同じなので、数学が苦手でも対策次第で高得点が狙えるのも特徴のひとつです。

「数学IA」「数学IIB」の出題範囲は?

センター数学で9割を取るには、数学IA・数学IIBの出題範囲や出題傾向を理解する必要があります。
ここでは、センター数学IA・センター数学IIBのそれぞれの出題範囲と出題傾向について説明します。

「センター数学IA」の出題範囲

センター数学IAの出題範囲は、必須問題と選択問題で変わります。

【必須問題】
数と式、集合と命題、二次関数/図形と計量、データ分析
【選択問題】
場合の数と確率/整数/平面図形

センター数学IAの必須問題の特徴は、「集合と命題」「データ分析」が出題されることです。
集合やデータ分析は国公立大2次試験や私大入試ではあまり出題されない分野なので、対策が手薄にならないように注意が必要です。

センター数学IAの選択問題は、どの分野を選択するかが得点率に大きく関わります。

平面図形」は発想力が必要なので、試験時間の短いセンターでは難しく感じやすい分野です。

場合の数と確率」「整数」は公式をそのまま使って解けることも多く、高得点が狙いやすいです。
しかし「整数」は2次試験であまり出題されません。

そのため、全体的な勉強バランスから、どの問題を選択するかはあなたの戦略次第と言えます。

「センター数学IIB」の出題範囲

センター数学IIBの出題範囲も、必須問題と選択問題で変わります。

【必須問題】
三角関数、指数・対数関数、微分・積分
【選択問題】
数列、ベクトル、確率分布と統計的な推測

センター数学IIBは、計算量が多く時間との戦いです。
特に「数列」では、検算する時間も含めて時間配分しておくと安心です。

センター数学で高得点を取るための対策法

すでにお伝えした通り、センター数学で高得点を狙うならばまずすべきは、センター対策ではなく2次試験の対策です。

これは、2次試験とセンター試験の出題意図の違いにあります。

国公立大2次試験では主に思考力を問う狙いがあります。
そのため、試験時間に対して問題量は少ない一方で、公式だけでは解けない応用問題が多く出題されます。

一方センター試験では、数学の基礎知識と問題処理能力を問うため、問題量に対して試験時間が短くなっています。

出題形式を見ても、センター試験は問題文に沿うように穴埋めするだけでよいので、2次試験に比べると自ら解答にたどり着く力が必要ありません。
その分、公式理解・典型問題の解法理解が重要です。

2次試験では解答力を、センター試験では計算力を鍛えるという意識を持つといいでしょう。

センター数学の対策法

センター数学の対策法は過去問がメインです。

センター試験では問題文の条件に合うように考える必要があるので、まずはこの形式に慣れましょう。

センター数学の過去問に取り組む手順

センター数学の過去問に取り組む時、闇雲に過去問を解いては対策の効果が薄れます。
そのため、手順を踏んで過去問に取り組むようにしましょう。

  1. 制限時間内で過去問を解く(この時点で9割取れればOK)
  2. (9割取れなかった場合)制限時間を気にせず解いて苦手分野を洗い出す
  3. 苦手分野を基本問題集(青チャートなど)で復習
  4. 教科書の章末問題に取り組む(わからない問題は基本問題集に戻る)
  5. 制限時間内に解けるように、見直しの時間を含めた時間配分で演習を続ける

最後は計算力勝負です。

また、必ず問題のやり直しをします。
間違えた理由と正しい解法をアウトプットして、同じ形式の問題で間違えることを防ぎます。

過去問を解いていると、前後の設問が関係していることがわかると思います。
ここで注意してほしいのが、「大問の最後に設問が前の設問とあまり関係ない場合がある」ことです。
この場合、それまでの流れで解こうとしても解答できないことがあります。
このパターンでは、求めるべき数値、わかっていること、わかっていないことを洗い出し、必要な数値を自分で計算して求めましょう。

試験時間を有効活用する

センター数学は時間との勝負です。
そのため、試験時間内で正答できる問題を見極めることも戦略です。

大問の最後の問題を捨てて基本問題の見直しをすることで、高得点に繋がることもあります。

計算力をつけるための対策法

「計算が遅いので解ききれない」という相談をよく受けます。

計算スピードを上げるには3つの方法があります。

  1. 暗算できる部分は紙に書かない
  2. 計算パターンを訓練して苦手をなくす
  3. あえて速いスピードで計算する練習をする

計算速度は訓練の差なので、「計算ミスしない!」という自信がつくまで練習しましょう。

計算に特化した問題集として『合格る計算 数学IAIIB』(広瀬和之・文英堂)もおすすめです。

当日にできる計算の工夫もあります。
多くの医学部合格者が実践するのは「問題用紙の使い方」です。

センター試験は計算量に対して余白が少ないので、余白の中央に縦線を引き、出題順通りに無駄なく余白を使って計算ミスを減らします。

また、計算過程を丁寧に書いておくと、間違えに気づいたときに見直しやすくなります。

図やグラフもきれいに書きましょう。
数IAではそれで答えがわかることもあります。

圧倒的な基礎力がセンター数学を制する!

なぜ国公立大医学部では【センター試験+2次試験の総和】で合否が出されるのでしょう?
それは、それぞれの試験の出題意図が異なるからです。

数学の基礎力を問うセンター試験。
考える思考力を問う2次試験。

どちらの能力も必要だからこそ、両方の試験が課されています。

しかし思考力も、その計算過程で間違えては答えにたどり着くことはできません。
数学の苦手意識が小学生で形成されることも多いのは、「基本計算量が足りていないから」とも言えます。

2次試験に対応する考え方だけでなく、圧倒的な計算力を身につけていきましょうね!

センター試験まであと2ヶ月ほど。
医学部受験における数学は、その合否に直結するほどのウェイトを占めています。

得意意識があるあなたも、苦手意識があるあなたも、正しい勉強方法を続ければ必ず伸びます。

「本当に今しなければならない事は何か」を常に意識し、最短ゴールを目指していきましょう!

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