今回は、センター化学の配点から考える「センター化学で9割を取る対策方法」を解説します!

国公立医学部受験を目指す上で欠かせない科目の1つが理科です。
センター試験では理科が2科目課されていますし、国公立大2次試験や私大受験でも化学を選択する人は多いと思います。

「化学は暗記が多いから、高得点は無理では?」と思う人もいるかもしれません。
しかし実は、センター物理やセンター生物に比べるとセンター化学は安定して高得点を取りやすい科目なのです。

それでは、どうしたら安定してセンター化学で9割を取れるのでしょうか?

センター化学で求められるのは「知識」と「計算」

先ほどもお伝えした通り、センター化学は物理や生物に比べると、安定して高得点を取ることができます。
なぜなら、センター化学では「知識」と「計算」の両方が出題されるからです。

センター物理では、計算問題が多く出題されます。
また、センター生物では知識問題と実験考察問題が出題されるので、知識とその応用力が問われています。
つまり、物理では計算ミスなどが失点につながりやすく、生物では単純に覚えるべき量が多いので労力が必要になります。

これに比べると、センター化学では、全てが知識問題でもなく、かといって計算問題ばかりが出題されるわけではないので、得点が安定しやすいのです。

ただ特にセンター化学では、知識問題が日常生活に即したものだったり、グラフや表、イラストなどがよく出題されたりします。
さらには、言葉の定義を問う問題も出題されるので、基礎学力を固めた上で、センター試験に特化した対策が必要になってきます。

これは、他の科目にも言えることですが、化学を国公立大2次試験や私大受験での受験科目とする場合、センター対策だけしても合格には近づきません。

難易度を比べると「国公立大2次試験・私大受験>センター試験」なので、基本的には国公立大2次試験対策を進めていき、センター試験が近づいてきたらセンター対策に入る、という手順を踏みましょう。

センター化学の出題傾向

センター化学では、「理論」「無機」「有機」の3分野全てが出題されます。

大問は7つあり、第1問~第5問は必須問題、第6問と第7問はどちらかを選択して解答する選択問題となっています。

センター化学の出題範囲は?

センター化学は、特に第1問・第2問の配点比率が非常に高くなっています。
効率的に高得点を取るには、出題傾向と配点の両方を理解しておくことが重要でしょう。

【第1問・第2問】理論化学

第1問・第2問では、毎年「物質の構造・状態」や「物質の変化と平衡」から出題されます。
配点がそれぞれの大問で24点となっているので、この2つの大問だけでおよそ50点が決まります。

【第3問】無機物質

第3問は無機分野からの出題となっています。
設問は5~6問で、配点は23~24点となっています。
基本的な知識問題が中心ではありますが、中には理論化学との融合問題など応用問題が出題されることもあります。

【第4問・第5問】有機化合物

第4問・第5問は有機化学からの出題となっています。
2つの大問を合わせて、設問は6~7問で、配点は20点程度となっています。
第5問では、毎年高分子化合物が出題されています。

【第6問・第7問】合成高分子化合物・天然高分子化合物

第6問・第7問も有機化学からの出題です。
2017年・2018年は教科書の後半に出てくる「高分子化合物」が扱われました。
大問数が変わった2016年度からの3年間は、設問2つに対して配点5点となっています。

センター化学の攻略法

見てきたようにセンター化学では、配点比率が【理論:無機:有機=50%:20%:30%】とやや理論が多いものの、どの分野からもまんべんなく出題されています。

各分野で必要となる能力が異なるので、出題問題・出題形式から「どんな対策が必要か」を見極めることが重要となります。

まずは出題形式を分析しよう!各分野で求められる能力が違う

センター化学は、初めにもお伝えした通り「知識問題」と「計算問題」が出題されます。

第1問・第2問では理論化学なので、知識問題よりも計算問題が出題されやすい傾向にあります。
一方、第3問以降の無機化学・有機化学では知識問題が多く出題されます。

もちろん、1問解答するのに複数の物質に関する知識が求められるような応用問題もありますが、重要なのは基本的な知識問題をスピーディーに解答することです。

センター化学は大問6つを試験時間60分で解かなければなりません。
つまり大問1つに割ける時間は10分程度です。
単純な知識問題を速く解答し、計算問題や応用問題にどれだけ時間を割けるかがセンター化学高得点への鍵となります。

おすすめ問題集は?

化学のおすすめ参考書の1つとして挙げられるのが『改訂版視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録』(数研出版株式会社)です。

「教科書の文章だけだと理解できない」という部分を視覚的に説明してくれています。
フルカラーで写真がたくさん載っているので、化学に苦手意識がある人には特におすすめです。

国公立大2次試験や私大受験で化学を使う場合は『化学重要問題集 化学基礎・化学』(数研出版)を使った問題演習で、国公立大2次試験で通用する力を身につけましょう。

センター対策は、センターが近くなってから過去問に取り組むことでセンター試験独特の設問に対応できるようにしていきます。

第1問・第2問で多く出題される計算問題に対応するには、過去問演習もひとつの手段ですが、特に苦手な範囲については『セミナー化学+化学基礎』(第一学習社)などを使ってピンポイントの演習を積むのも効率的です。

第3問以降の無機化学・有機化学に関しては配点に対しての暗記事項が多くなっています。
そこで、『化学 一問一答【完全版】』(東進ブックス・橋爪健作著)を使って反復演習を行うことで、試験で使える知識に昇華させていきましょう。

センター化学は満点を狙おう!分析と対策がカギ

センター化学の最近の平均点は、2015年度に62.5点と6割を超えていましたが、2016・2017年度はともに50点前半の平均点となっています。
センター化学で高得点を取ることは周りに差をつけられないためにも必須と言えます。

各分野から偏りなく出題されますので、暗記分野・計算分野のどちらも苦手範囲を作らずに、高得点を狙っていきましょう!

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