今回は、「センター生物で9割取る勉強法のコツ」をお伝えします。
生物と聞くと「暗記科目だし、覚えることが多そう」とつい尻込みしてしまうでしょうか?
しかし実はセンター生物においては細かい知識以上に、資料集や実験考察が重要になってきます。
センター生物で重要なのは「知識を俯瞰的に理解すること」
生物は、化学や物理と比べると単元ごとのつながりがなく、一つひとつの単元を理解していく必要があります。
そういった意味では、少し労力がかかるかもしれません。
とはいえ、あまりにも細かすぎる知識にまでこだわって覚える必要はありません。
あくまでもセンター試験は教科書レベルの問題が出題されるようになっているので、基本的な内容が理解できていれば解答できるようになっています。
ただし、各分野から偏りなく出題されるため、苦手分野が存在していると高得点が取れなくなってしまいます。
問題を読み、どの分野が出題されているのかを瞬時に判断できるよう、各分野まんべんなく勉強することが必要です。
センター生物の出題範囲は?
センター生物では
- 生命現象と物質
- 生殖と発生
- 生物の生活と環境
- 生態と環境
- 生物の進化と系統
の全分野から出題されます。
そのため、苦手分野の存在は高得点への命取りとなります。
どのような問題が出題されるの?
センター生物では、各大問で問われる単元が以下のようになっています。
大問によって、出題されやすい範囲が存在しているので、ここではそれぞれの大問の特徴と出題されやすい範囲を解説します。
第1問 生命現象と物質
第2問 生殖と発生
第3問 生物の環境応答
第4問 生態と環境
第5問 生物の進化と系統
第6問・第7問 選択問題
第1問〜第5問は必須問題
第1問~第5問は、A・B2つの文章に関する問題が出題されます。
1つの大問につき4~6問程度出題され、配点は大問それぞれで18点となっています。
第1問の文章Aではタンパク質に関して、文章Bでは遺伝子に関して出題されることが多くなっています。
第2問では特定の単元が出題されるというよりも、動物・植物の両方が題材として扱われています。
また、第3問~第5問では出題形式によって出題範囲が変化します。
第6問・第7問は選択問題
第6問・第7問はどちらかの大問を選択して解答します。
各大問3問出題され、配点は10点です。
選択問題である第6問・第7問では、過去3年分の出題範囲をさかのぼると、
年度 | 第6問 | 第7問 |
2018年 | 遺伝子組み換え実験 | 生物の生態と進化 |
2017年 | 細胞を構成する物質や細胞小器官を解析する研究技術 | 生物多様性 |
2016年 | イネ科植物の栽培と利用 | 社会性昆虫の行動と進化 |
と、いくつかの分野をまたいだ様々な範囲から出題されています。
センター生物の出題傾向は「知識問題」か「考察問題」
センター生物では主に、知識を問う「知識問題」と、実験の考察を題材にした「考察問題」が出題されます。
知識問題は時間をかけない
知識問題では、知識を正確に覚えていなければ解答することができません。
センター生物は大問6つを60分の試験時間内に解き切らなければなりません。
大問1つに使える時間は10分程度、つまり制限時間との闘いになります。
そこで、知識ですぐに解答できる問題を考え込む時間はありません。
すぐに解答できなければ次の問題へ進むことを心がけましょう。
意外かもしれませんが、知識問題に苦手意識を持っている受験生も少なくありません。
それは、センター生物では知識に対する具体例を問う問題が多いからです。
後にも紹介しますが、こういった問題に対応するには都度資料集を確認して、実際の生物ではどのような現象として起こっているのかまで理解することで対応することができます。
考察問題は実験内容を正確に把握する
考察問題は、実験内容を正確に把握することから始まります。
ただし、問題文が長文になっていたり、いくつかの資料を読んだりすることもあるので、得点差が開きやすい問題形式とも言えます。
そこで、実際の問段演習を通して、問題文・資料を読み込む練習をおすすめします。
さらに問題文や資料から実験内容を理解した後は、どの知識を使えばよいのかを考えましょう。
また、このような問題形式に対応するには、「なぜその事象が起こるのか」の理解が欠かせません。
単なる「単語の暗記」ではなく、「なぜその事象が起こるのか」という背景まで理解するようにしましょう。
センター生物はどう対策する?
センター生物は出題される問題の傾向から見ても、知識習得と背景理解のどちらも重要になります。
また、全単元から出題されるため、苦手単元を作らないように勉強を進めていくことも、効率よく得点を上げる手段です。
それでは実際にどのように対策していけばよいのでしょうか?
センター生物は「資料集の確認」が重要!おすすめ参考書は?
これはどの科目にも共通して言えることですが、国公立大2次試験や私大入試を生物受験する場合は、センターレベルに合わせて勉強するよりも、2次試験に通用する学力を身につけることがセンター生物高得点への近道となります。
この場合、基本レベルの問題だけでなく、最終的には『生物[生物基礎・生物] 標準問題精講 五訂版』(旺文社・石原將弘・朝霞靖俊著)レベルの問題まで演習を重ねる必要があります。
ただ、まずは基礎知識を覚える必要があります。
基礎知識を押さえる参考書として有名なのが『大森徹の最強講義117講 生物[生物基礎・生物]』(文栄堂・大森徹著)です。
また、生物に対する苦手意識が強い場合や短時間で仕上げたい場合は『山川喜輝の生物が面白いほどわかる本』(KADOKAWA・山川喜輝著)もおすすめです。
この時、資料集もきちんと確認しておきましょう。
先ほどもお伝えしたように、センター生物では「知識を具体的にイメージできているか」まで問われます。
これは、資料集を確認することが一番の近道です。
さらに、基本知識は実際に問題演習を積むことによって、試験で解答できる知識になります。
そこで、参考書と併用しながら『エクセル生物総合版』(実教出版株式会社)などの問題集を解いていきましょう。
ある程度知識が固まり基本演習が終わったら、センター過去問に入ります。
過去問で間違えた分野はその都度復習をして、抜けている知識を定着させましょう。
センター生物は高得点必須!
新課程になった初年度は54.9点だった平均点も、2017年度には68.9点と70点を目前にしています。
2018年度には難化したといわれつつも61.3点と60点台の平均点を維持していることからも、センター生物では高得点の争いになっていると予想されます。
生物は、化学や物理とは違って単元ごとのつながりが薄いので、つい勉強に偏りが出てしまいがちですが、苦手分野を作らずにまんべんなく勉強することが高得点には欠かせません。
スキのない勉強で、センター生物9割を目指しましょう!