今回は、「センター国語(現代文)で9割取るコツ」を解説します。
先日の記事では、「センター国語(古文)のコツ」「センター国語(漢文)のコツ」についてお伝えしていきました。
>センター国語(古文)のコツはこちら
>センター国語(漢文)のコツはこちら
センター国語の満点は200点ですが、そのうちの半分である100点が現代文現代文からの出題です。
現代文は、数学のような「明確な解答がない」とも言われていますが、現代文には解き方のコツがあります。
特に文字数の多いセンター国語で満点や9割を安定して取るには、時間配分や解き方のコツをマスターすることが重要です。
一見、対策しにくい現代文ですが、時間配分内に解き切る速読力や、正確に解答するための読解のコツを掴むことは、どの教科にも共通して活用できる「読解力」を向上することに繋がります。
中学生や高校1年生こそ現代文
現代文に対して「すぐに学力(成績)が伸びる!」というイメージを持つ人は少ないのではないでしょうか。
確かに、数学のように公式に当てはめれば答えられるわけではないですし、古文や漢文のように暗記事項で得点できる問題が少ないのが現代文です。
なので、この記事を読んでいるのが受験生や高校2年生であるならば、優先順位は英語や数学、理科なのかもしれません。
(事実、多くの医学部受験指導者はそう言うでしょう。)
ただし、どの科目にも最も応用が効き、最も効果のある科目が現代文です。
なぜなら、どの科目も暗記事項を覚えてしまった後は、現代文によって培われる「読解力」がその後の学力の伸びに影響するからです。
そこでこの記事では「センター国語(現代文)で9割を取るコツ」と「読解力の伸ばし方」について見ていきたいと思います。
センター現代文の出題形式は?
センター現代文は大問が2題(各50点満点)で出題されます。
毎年、評論文が1題、小説が1題です。
センター現代文の解き方のコツを理解するために、ここではまずセンター現代文の出題形式を解説していきます。
センター現代文(評論文)の出題形式
センター現代文・大問1では、評論文が出題されます。
評論文というのは、中学生までで言えば説明文に当たります。
扱う題材は中学生までよりグッと難しくなりますが、論理的に説明されるという点では変わりません。
言葉が抽象的で難しく感じますが、二項対立や言い換え・対比などを意識して読むことが重要です。
【第1問】漢字問題
第1問では、漢字が5題出題されています。
例年、本文中に出てくる漢字と同じ漢字を含む選択肢を選ぶ問題です。
漢字は中学校・高校で習う基本的な漢字が出題されます。
そのため、日頃からできる対策として学校の漢字テストを活用することがありますが、正直この対策方法が最も効率的な対策と言えます。
また、漢字を書くことを面倒くさがらず、日々正しく使うことも漢字をマスターするコツです。
【第2問~第5問】内容理解問題
第2問から第5問は内容理解問題です。
傍線部やその付近だけに注目するのではなく、文章全体から筆者の主張を読み取りましょう。
また、センター現代文の特徴として、選択肢自体の文章が長くなっています。
そのため、選択肢を2~3か所で切り、それぞれが本文と一致しているかどうかで判断することが、選択肢を選ぶコツです。
特に、紛らわしい言い換え表現に注意しましょう。
【第6問】本文構成問題
第6問では、本文全体の構成を問う問題が出題されています。
ここでも、ひとつの選択肢を2~3分割で考えていくことをおすすめします。
現代文は必ず問題文中に答えがあります。そのため、解答根拠に線を引きながら解くことで「なんとくなく合ってる(または間違っている)気がする」という曖昧な解答判断を防ぐことが出来ます。
センター現代文(小説)の出題形式
センター現代文・大問2では、小説が出題されます。
小説は登場人物の感情が、登場人物の発言だけではない部分で表現されることがあります。
「自分であればどう感じるか」ではなく、「筆者は登場人物にどのような感情を抱かせているか」を、文章中の表現から読み取ることが重要な対策になります。
【第1問】語句表現問題
第1問では、短い語句の意味理解が問われます。
こちらも評論文での漢字と同様に、日々の学習をおろそかにしないことが得点を上げるコツです。
日常の中でなんとなく意味を知っている気がする言葉ほど、紛らわしい選択肢で間違えます。
そのため、一度は辞書を引いて正しい意味を確認しておくことが、効率的な対策方法と言えるでしょう。
【第2問~第5問】内容理解問題
第2問から第5問も評論文と同様に、内容理解問題です。
小説を解く上で重要なのが「登場人物の心情の変化」です。
ここで、自分の主観を判断根拠にしてしまうと間違えてしまいます。
問題文中に書かれている表現が解答根拠となります。
【第6問】本文構成問題
第6問でも、評論文と同じように本文構成が問われています。
選択肢を分割して考えるのはもちろんのこと、視点による主語と動詞の一致や比喩・擬人法と言った文法表現、文章の流れ(時系列)などに注目することが解答判断のコツとなります。
センター現代文はどう対策する?読解力のつけ方とは?
見てきたように、センター現代文では基本的な漢字・語彙の知識はもちろんのこと、選択肢の判断の仕方が重要になります。
また、それをより速く・正確に行うために読解力が必要となります。
センター現代文の解き方の対策法・おすすめ問題集
センター現代文の知識問題は、学校での日々の学習を活用しましょう。
また、実際の問題の解き方については、学研マーケティング『きめる!センター現代文』やKADOKAWA『最短10時間で9割とれるセンター現代文のスゴ技』など、センター現代文対策の参考書を読んでみてください。
その上で、実際の過去問演習を行います。
もちろん、マーク式の問題集も練習になりますが、センター試験に関しては解答を開示しなければならないため、確実な解答根拠のある設問を作成しています。
そういった意味で、問題演習には実際の過去問を活用することがおすすめです。
問題演習を通して、実際にどのような点に注意すべきかを確認してきましょう。
読解力の養い方・おすすめ問題集
それでは、現代文の得点率を支える読解力はどのように養っていけばよいのでしょうか。
そもそも読解力とは筆者の主張を速く正しく理解する力のことを言います。
筆者は現代文(問題文)の中で、自分の主張をより理解してもらうために一般論・反対意見や具体例、理由などを織り交ぜています。
しかし、読解力がないとそれらの記述に惑わされてしまい、筆者の主張を読み間違えてしまいます。
この筆者の主張を見抜くためのポイントが「具体と抽象」と「対比」です。
しかし、はじめのうちはこれらのことに自分で気が付きながら問題を解くことは簡単ではありません。
そこでまず学研マーケティング『舟口のゼロから読み解く最強の現代文』などの基礎的な現代文の参考書・問題集を使って丁寧に読み込んでいきましょう。
それらが理解できるようになったら河合出版『入試現代文へのアクセス 基本編』などの実践問題に入ります。
さらに、段落ごとの要約に取り組むと文章全体の構成を理解する力を養うことができます。
これにより、文章全体を俯瞰する力が身に付いていきます。
文章全体を俯瞰することは、文章の構成を理解することでもあります。
文章の構成を理解できれば、文章全体に共通するキーワード(筆者の主張)を見つけることができます。
センター現代文は読解力養成とテクニックの両面から!
現代文は、古文や漢文と比べるとテクニックだけで高得点を狙いにくい科目です。
ただし、それに必要な読解力は、一度身に付けば他の教科の理解度や設問理解力も向上していきます。
ぜひ、受験生や高校2年生はもちろんですが、中学生・高校1年生は特に現代文に力を入れて取り組んでみてくださいね!