今回は、作文が苦手な人に最初に知ってほしい小論文の書き方を解説します!

小論文に苦手意識を持っている人の多くは、小論文の正しい書き方を知らないことがほとんどです。

つまり、小論文の書き方さえ知れば、誰でも小論文が書けるようになります。そこで今回は、

  1. 作文と小論文の違い
  2. 小論文の段落構成の決まり
  3. 小論文でまず注意するべき2つのこと

について解説します。

小さい頃から感じていた作文への苦手意識を小論文で感じている人は多いでしょう。しかし、小論文が書けるようになることは、大学受験だけではなく将来役立つ能力にも繋がります。

ぜひこの記事を読んで、小論文に対する苦手意識を克服しましょう!

小論文が苦手な人は書き方を知らない

小論文を苦手とする中学生や高校生は多くいます。それは学校で小論文の書き方を学ぶ機会があまりないからです。

小学生では多くの場合、夏休みの宿題として読書感想文が課されますが、読書感想文もどう書けば良いのかわからず苦戦してしまい、その時の苦手意識が小論文の苦手意識に繋がっていることも少なくありません。

しかしそもそも読書感想文のような作文と小論文では、書く目的と必要な力が違います

作文と小論文の違い

作文は自分の感じたことや体験したことを伝えるために書きます。そのため、自分の感想をわかりやすく表現するための語彙力が必要になります。

一方、小論文は自分の意見を相手に納得させるために書きます。そのため、自分の意見をわかりやすく書くための語彙力はもちろん、相手が理解できる文章を構成する論理力が求められます。

小論文で必要な論理力は「接続詞」

論理力と聞くと非常に抽象的なイメージになりがちですが、小論文で必要な論理力とは「適切な接続詞を使う力」と言うことができます。

例えば、

私は小学生にスマートフォンや携帯電話を持たせることに反対である。(  )小学生は感情が育つ時期なので、スマートフォンなどでの電話やテキストメッセージに頼らない、相手の顔を見ながらのコミュニケーション力を鍛える必要があるからだ。

この文章の空所に当てはまる接続詞を適切に入れることができるかどうかが論理力です。

ここでは「なぜなら」が当てはまりますが、国語力に自信がなかったり苦手だったりすると、間違えてしまいます。

日常会話で意識しながら接続詞を使う場面は少ないからこそ、小論文や現代文で接続詞を意識した学習をすることで、相手に伝わる論理力を身につけることができます。

小論文が苦手な人は、これから説明する段落構成の練習とあわせて、適切な接続詞を使う練習をしていくと良いでしょう。

小論文は4段落構成で書く

小論文の画像

ここからは、作文や小論文が苦手な人でも小論文が書けるようになる段落構成について解説します。

小論文は4段落構成です。いわゆる「起承転結」ですが、より具体的に言うと

  1. 起:テーマ
  2. 承:意見
  3. 転:具体例
  4. 結:まとめ

の順番で書きます。それぞれ詳しく解説します。

第一段落:テーマ

第一段落では、その小論文で述べるテーマについて書きます。問題提起と言われることもあります。

この段落では、初めにこれから述べるテーマに関する体験や時事ニュースに触れた後、自分の意見を主張するための疑問文を書きます。

例えば、「小学生にスマートフォンを持たせるべきか?」という設問に対する小論文であれば以下のような第一段落が想定されます。

最近街中で、スマートフォンを持っている小学生を目にすることがある。2018年には小学生のスマートフォン所有率は約半数に上るとも言われている。それでは実際に、小学生にスマートフォンを持たせるべきだろうか。

 

例題に対する意見は

  • 小学生にスマートフォンを持たせるべきだ
  • 小学生にスマートフォンを持たせるべきではない

のどちらかになります。そのため、この意見を述べられるような疑問文が第一段落の最後になるようにします。

疑問文を提示する時には「では」「それでは」といった接続詞を使いましょう。

第二段落:意見

第二段落では、自分の意見を述べます。意見だけではなく理由についても述べるようにします。

先ほどの例題であれば、次のような第二段落が想定されます。

私は小学生にスマートフォンを持たせるべきだと考える。なぜなら、これからの社会においてスマートフォンは欠かせないものであり、幼い頃からその正しい使い方を学ぶ必要があるからだ。

 

ここで注意するべきは、第一段落の疑問文の回答としてずれた意見にならないようにすることです。

私はこれからの小学生はスマートフォンを正しく使えるようになる必要があると考える。なぜなら、これからの社会においてスマートフォンは欠かせないものであり、幼い頃からその正しい使い方を学ぶ必要があるからだ。

 

第一段落の疑問文では「スマートフォンを持たせるべきか?」だったにも関わらず、「スマートフォンを正しく使えるべきだ」という回答になってしまっています。

特に国語が苦手な場合や思いついたまま書き進めてしまう場合によく起こります。

このように、第一段落の疑問文と第二段落の意見がずれてしまうと論理力がないと見なされてしまい、大きく減点されてしまうので注意しましょう。

第三段落:具体例

第三段落では、自分の意見を相手(読み手)に納得させるための内容を書いていきます。

具体的な事例やデータはもちろん、その現象が起こっている背景社会で問題視されている事実などにも触れられると良いです。

先ほどの例題であれば、第三段落は以下のようなものが想定されます。

現在スマートフォンは多くの人が所有しており、ビジネスシーンでも活用されている。今後ますますスマートフォンの活用は進むことが予想されるため、スマートフォンを有効に活用する術を身につけることが必要である。例えば、スマートフォンを使うことで簡単に最新の情報を手に入れることができる。子どもたちがテレビで目にしたニュースに関して、より深く調べることができるのはスマートフォンのメリットである。またこのことが、子どもの興味関心を広げるきっかけにもなりうる。なかにはスマートフォンのようなデジタルデバイスを活用することで学習意欲が向上するケースもあると言われている。実際ビジネスマンでもスマートフォンのアプリケーションを有効活用することで、より効率的に仕事を進めている人も多くいる。

 

この第三段落の内容が小論文の評価に大きく関わります。そのため、自分が受験する学部学科の重要キーワードや入試で出題されやすいテーマがあれば、それについての知識を深めていくことも大切です。

第四段落:まとめ

第四段落では、自分の意見とその理由を再度述べてまとめます。

先ほどの例題であれば、次のような内容が想定されます。

このように、スマートフォンは子どもたちにとって可能性を広げてくれると同時に今後活用できるようにならなければならないデバイスであると言える。そのため私は、小学生にスマートフォンを持たせるべきだと考える

 

第四段落ではまず「このように」という接続詞でそれまでの段落で述べた内容をまとめつつ自分の意見に対する理由に触れ、「そのため」という接続詞で自分の意見を述べます。

時々、将来への展望(これから頑張っていきたいこと)などを第四段落に書く人がいますが、基本的には必要ありません。自分の意見とその理由を述べて簡潔に終わらせましょう。

小論文を書くときの注意点2つ

小論文を書くときには、段落構成とともに特に注意したい点が2つあります。それが文末の言葉遣い一文の長さです。

注意点1:文末の言葉遣いを揃える

小論文が苦手な人に多いミスが、文末の言葉遣いが揃っていないことです。

最近街中で、スマートフォンを持っている小学生を目にすることがある。2018年には小学生のスマートフォン所有率は約半数に上るとも言われている。それでは実際に、小学生にスマートフォンを持たせるべきでしょうか

 

ここでは前半が「である調」になっている一方で、後半では「ですます調」になってしまっています。

小論文を書いていると、書くことに精一杯になってしまって文末の言葉遣いにまで気が回らないことがありますが、このような些細なミスでの減点が不合格に繋がり得るので、必ず見直しをして文末の言葉遣いを揃えるようにしましょう。

注意点2:一文を長くしない

一文が長い」ことも小論文が苦手な人に多いミスです。

最近街中で、スマートフォンを持っている小学生を目にすることがあるが、2018年には小学生のスマートフォン所有率は約半数に上るとも言われており、それでは実際に、小学生にスマートフォンを持たせるべきだろうか。

 

特に思いついたままに文章を書いている人に多いのがこのミスです。一文が長いと読みにくくなるだけではなく、主語と動詞が一致しない支離滅裂な文章になりやすくなります。

不用意に文章を長くするのではなく、適切な接続詞を使いながら文章を書くようにしましょう。

小論文の添削を受けると表現方法なども直されることがありますが、小論文に苦手意識を持つ人がまず気をつけるべきは「文末の言葉遣い」「一文の長さ」で充分でしょう。

まとめ:小論文が苦手な人はまず段落構成を練習しよう

今回は、小論文が苦手な人にまず読んでほしい小論文の書き方と注意点について解説していきました。

小論文が苦手な人はまず

  1. 小論文は相手を納得させるために書くことを意識する
  2. 小論文は起承転結の4段落で構成する
  3. まず文末の言葉遣い一文の長さに注意する

ことから始めると、相手を納得させることのできる小論文を書けるようになります。

段落構成練習と文末の言葉遣い・一文の長さに注意しながら小論文の練習・添削を繰り返して、小論文の苦手意識を克服していきましょう!

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